2022-06-17から1日間の記事一覧

樋口一葉「別れ霜 五」

十三 「覚悟したのだから今更涙は見苦しい」と励ますのは言葉ばかりで、まず自分がまぶ たを拭う、はかなくも露と消えようとする命。ここは松澤新田先祖累代の墓所、昼なお 暗い樹木の茂みを吹き払う夜風がさらに悲痛の声を添え、梟の叫びも一段とすさまじ …