2023-01-31から1日間の記事一覧

馬場孤蝶の手紙 二

見るべき紅葉もなく、嬌音を聞くべくもないこんなところにはとてもいられないと、 去る七日に学校から僅かばかりの金を受け取るやいなや逃げ馬のように走って、停車場 から午後四時の列車に乗り込み行く先は九州相良ではなく、近松の浄瑠璃にある大阪と いう…

馬場孤蝶の手紙一(最後)と二への返事 

2021年にあげていた孤蝶のエッセイにちょうど今訳している手紙の返事があるので 修正して再度掲載。 一葉君は手紙の文章が実にうまい人だった。私は28年の8月末から30年1月にかけて 地方にいたので文学会の仲間たちの中では、一葉君から多くの手紙をもらって…