2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

樋口一葉 残簡 その一

冬空に白鳥がやってきたが、撮り損ねた。 通俗書簡文に少し飽きたので残簡を読んでいる。一葉が勧工場で働きたいと思ったの に母に止められたことがあって、そこから思いついた話のようだ。話し言葉を見ると こんな口調だったのかと思う。そして本当はお母さ…

通俗書簡文 八

読み返す度におかしな文章がある。日頃敬語など使わないので見る人が見たら怒り 出すような言葉遣いかもしれない。通俗書簡文に少し飽きたので書簡を読んでいて思い 出し、以前書いた一葉の手紙(馬場孤蝶宛て)を読み直してみると超訳していたので できるだ…

通俗書簡文 七

指入ってるけど 姉の元に栗をもらいに行く文 風邪が流行っているそうで、日頃から病みがちのお体でいかがお過ごしですか。父上 や母上も心配しています。先日お兄様が弥太郎様が腹痛だったとおっしゃっておりまし たがその後はよろしいのですか。お君様から…

通俗書簡文 六

月見に人を招く文 今夜の月の光はどれほど増すことでしょうか。浅緑(水色)の空に今朝から塵ほどの 雲さえ見えないのは、浅ましいほど今日の晴れを願った志をどこかの神様が叶えてくだ さったのかと空を仰ぎ拝んでいます。お知らせしましたように末娘のお末…

通俗書簡文 五

諸橋近代美術館 いつ行ってもいいけれど今回は今までで一番よかった。 雷鳴激しかった後に友に送る ようやく生き返ったようになりましたがそれでもまだ震えながら文をしたためていま す。先ほど雨雲が空を覆い始めた時は、昨日は空しく過ぎてしまった夕立が…

通俗書簡文 四

寒々しい場所で川を見ながらひとりランチ。インスタやめると写真も撮らなくなる。 (もともと見せるものもないのに友人への近況報告と、こんなに雪が降るんじゃアピー ルだったので飽きた)国民割も紅葉も、こんな寒々しいところにいるとどうでもよく なって…

通俗書簡文  三

花の頃都にいる娘に しばらくお便りがありませんが、どうしているかと心配しています。田舎でははしか が流行って、これは軽いものではなく隣村の作蔵の二番息子が先月から患って耳が聞こ えなくなってしまいました。それを見るにつけ、我が家では何の異常も…

通俗書簡文 二

三月ばかり(から?)初奉公している友に 長い間お会いしていないよう(な気持ち)です。先日いらした時に門の柳の下で、 これからは何事も自由にならず、一年に三度くらいしか会えなくなるからお顔をよく 見せてとおっしゃったことが耳に残って、お別れして…

通俗書簡文

脚注のない原文を訳すので間違いがより多くなりそうですが、どんなことを書いて いるのか楽しみに訳していきます。 手紙の文はそれほど大げさに選ばなくてもわかりやすく素直な言葉で、思うことを 言い表すように書けばそれほど難しいことはありません。言葉…