2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

馬場孤蝶の手紙 二

見るべき紅葉もなく、嬌音を聞くべくもないこんなところにはとてもいられないと、 去る七日に学校から僅かばかりの金を受け取るやいなや逃げ馬のように走って、停車場 から午後四時の列車に乗り込み行く先は九州相良ではなく、近松の浄瑠璃にある大阪と いう…

馬場孤蝶の手紙一(最後)と二への返事 

2021年にあげていた孤蝶のエッセイにちょうど今訳している手紙の返事があるので 修正して再度掲載。 一葉君は手紙の文章が実にうまい人だった。私は28年の8月末から30年1月にかけて 地方にいたので文学会の仲間たちの中では、一葉君から多くの手紙をもらって…

馬場孤蝶の手紙 一

相変わらずお麗しいお筆の跡がありがたく幾度か繰り返し(読みました)。さてあの 日藤村と天知に戦いを挑みましたところ、天知は在京中でしたので決闘状は鎌倉に虚を 突き、藤村は箕輪の家で病臥中、私に一矢報いる勇気もないとのことで、すこぶる失望 して…

馬場孤蝶の手紙と一葉の返事

明治28年3月15日 雪の降る中たびたびお邪魔してさぞご迷惑でしたろうと恐れ入っております。お母様 もさぞおうるさくお思いでしたろうとこれも気がかりです。私の大声は友達の中での 評判はもとより、一度二度伺ったある家でも名前は言わずにあの高調子な人…

おばさんの日々

川崎長太郎自選集が安くなって売り出された。もう無理だろうと思って選集を昨年 同じくらいの額で買ったばかりである。惜しいが全集はもっと欲しい。ロケットニュー スで見た日東紅茶の福袋1万円を買うのをやめてそちらに回す。どんだけロケットニュ ースに…

4年に渡る雑記というか繰り言

私の生まれは埼玉県のマンモス公団、千葉県のマンモスマンションに移り、鎌倉へ (ここだけ公表するいやらしさが鎌倉)と少しずつ南下後、一気に四国から鹿児島そし て大島紬(着るのも織るのも)と奄美島唄に出会い、次は奄美か?までは行けずに打ち 止め。…

2023 年始の覚え書

素敵だったが5分と見ていられず残りの20分音だけ聞く。 7日 保湿クリームでごまかしてきた湿疹がそろそろ限界。痒みから痛みになりつつある。 書き出して見ると、野菜大目などと言っていても大して食べていないことがわかる。 実際手で測定するやつでももう…

通俗書簡文 ただいささか

寒い寒い 日用文のこと 今風の文章は大変複雑で、さまざまな体裁がしきりに出てきております。怪しくも鵺 などと言ってある人をあざ笑うものさえいる(?)とか。さてその記事、紀行、随筆、 説話のいろいろはここには用がなく、男性の書く拝啓、頓首も私の…