鹿児島の味

    

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    吹上浜がなつかしい。市内(の端)からでも40分で、延々と歩ける砂浜があった。誰もいない海があった。一時間行ったら美しい開聞岳が浮かぶ海へ行けた。海はもちろん、食べ物に思うことも多く、昨日タイ料理の本を見ていて思い出したのが、鹿児島では青いパパイヤが売っていたのでよくソムタムを作ったこと。夏にはへちまの味噌煮ばかり食べたこと、ゆでた落花生は食べ止められないほどおいしかったことなど次から次へと出てくる。鶏のたたきや砂肝の刺身もどこでも買えてよく食べた。こればかりはあの甘ーい醤油が合うのだった。葉つき玉ねぎやニンニクの葉の炒め物。シビというマグロも塊で買えて、刺身以外にポキにしてがっつり食べられたし、トビウオは刺身にした残りは汁に最高。猫も血合いやすき身のお相伴にあずかったものだった…。奄美の料理もなつかしい、あおさ、もずくの天ぷら、山羊料理…もちろん北国の魚介や米(酒)のおいしさにかなうものはないのだけれど、南国に憧れるのでひいきしてしまう。

ソムタム パパイヤの未熟果を千切りにして、ナムプラー、レモン、唐辛子他で調味。炒め物にしてもおいしいが独特な歯ごたえが半減するので、生のほうが好み。

ポキ(ハワイ料理) マグロを角切りにして、玉葱、一味、ごま油、醤油で和える。

油そーめん ゆでたそうめんを水洗いしておいて、肉野菜と炒め合わせる。私の好みの具材は豚バラ肉、玉葱、人参、ニラ、卵のチャンプルー基本形。鶏ガラスープを最後に入れて一煮立ちさせると味がまとまり、口当たりもなめらかになる。     

 落花生は殻ごとゆでた方がおいしいだろうけれど時間がかかるので、皮をむいてヒタヒタの水、強めの塩味にしてふたをして弱火で30分ほどゆでる。

 へちまは皮をむいて乱切り、豚肉と麦味噌と鍋に入れ、全体を炒め混ぜたらふたをして煮る。水が出るまでは焦げないように気をつける。ついでに、私にはなぜかおいしく作れない冬瓜。鹿児島の定番、豚肉と豆腐とで味噌汁にするのが一番いいみたい。

 機織り師匠のツナ入りの切り干し大根、ベーコン入り茄子の煮つけなど、ジャンクな味がおいしかった。おばあちゃんでもゴーヤ炒めにソーセージが入っていたりする。ポークはおいしいけれど、私はゴーヤとは合わないと思うのでチャンプルーは豚肉で。

 ツワブキと豚骨と厚揚げのあっさり煮、おでんくらいにしてたくさん食べる!山蕗が一番おいしいと思っていたがツワも負けないほどおいしいことを知った。豚軟骨をことことと、骨がぽりっと食べられるくらいに煮るとおいしいのだけれどこちらではあまり売っていない。すじ煮込みの要領で、ごぼう、こんにゃく他、醤油味でも味噌味でも。

 筍と鶏肉をこてっと炊いて、ニラを青味と風味づけにするのも南国風。孟宗竹の後は細めの色々な種類の筍が出てきて、炒めるとポリポリおいしいのだった。

 そして奄美黒糖焼酎。結局海から、食べることから、飲むことへ…