2022-09-03から1日間の記事一覧

樋口一葉「われから 一」

一 霜夜も更けて、枕元に吹くともなく妻戸の隙から風が入り、障子紙がかさこそと音を 立てるのも哀れで淋しい旦那様のお留守、寝室の時計が十二時を打つまで奥方はどうし ても眠ることができず、何度も寝がえりをして少し癇性の気が出て、いらない浮世の さ…

樋口一葉「うらむらさき」

夕暮れの店先に郵便脚夫が投げ込んでいった女文字の文一通。こたつの間の洋燈の下 で読んで、くるくると巻いて帯の間に収めると(落とさないかと)立ち居の気配りが 並大抵ではなく、顔色に出ると見えて結構人(お人よし)の旦那様がどうかしたのかと 聞く、…

痛い痒いおばさんの手記 その後

カモメが砂浜で海を見ている。こういうのあまり見たことなくておもしろかった。 10年位前に両手首の鈍痛に悩まされ病院に行ったが相手にされなかった。その後機織 りに出会って没頭し気にならなくなった。その頃一度腰に電気が走ったことがあり、 これのひど…