よかった!何度見ても感心しなかったウエストサイドストーリー。ネタバレます。
演奏が耳に入らない上、いきなり踊りだされてもというミュージカル無理解体質だった
のが、耄碌して何でも受け入れられるようになったのか、多少の経験によって聞く耳が
できたのか(実際音楽好きと言いながら歌しか耳に入らなかった私がこの頃演奏を聴き
わけて両方楽しめるようになったのだ、こんなおまぬけでも成長できるのですよ)
演奏が素晴らしい、聞き飽きたと思っていた歌も楽曲も素晴らしい、踊りも素晴らし
かった(大人になってからエアロビや社交ダンス鑑賞が趣味(無節操)になり、理解者
なのさ)。あと内容の受け入れがたかった部分が改善されたからだと思う。まずトミー
がおっさんでなくなった(それはこっちが年取ったせいでは…)。粗暴なポーランド人
の設定になっていたのが「欲望という名の電車」を思い出してわかりやすかった。
役者もマーロン・ブランドみたいでかわいかった(あれをかわいく思える時点でばあ
さんになったことがよくわかる)。それはさておき、悲しんでるアニタに彼を愛してる
って歌い上げる無神経さしか受け取れなかったが、愛ってそうだよねと納得できた点、
(旧作でも説得できていたのだけれどわしは納得いかなかった。心狭し)トニーが死に
かけてるのに延々と歌わなくなった点。旧作を検証してみないと実際どうだったかわか
らないけれど、その辺の思い込みを払拭したのだった。要なので仕方ないが決闘シーン
がリアルすぎたのと、その後の女性陣のうきうきっぷりがかわいそうで辛かった…。
今年は何度見ても印象の薄かった「天井桟敷の人々」の醍醐味はナタリーの悲恋で
あったということがわかるなど、学びの年になりそう。悲恋の味方のわたくしは大いに
共感したのだった。その程度なら初めて観たってわかるだろ!とも思うが、鈍感な脳の
持ち主だから、この年になってわかることがまだあると思えば嬉しいではないですか。
まあこの映画の趣旨はバティストの悲恋とガランスのファム・ファタールぶりなのだろ
うがそういうの嫌いだから、やっと自分が腑に落ちたのでよい。バティストのあほ!