2021-01-01から1年間の記事一覧

しのぶぐさ

24日 半井先生の依頼で畑島先生に見せる、尾崎紅葉先生への紹介の断りの手紙を出す。 26日の夕方帰宅。邦子が言うには23日に半井先生が家の前に来ていたが、来客があっ たので何も言わずに立ち去ったとのこと。この夜は家に泊まった。 27日 今日は亡き…

一葉にっ記と書き込み

22日 家に帰る。ここでもいろいろ話をしてから半井先生に返す本などを持って行く。昼前 だったので先生はまだ蚊帳の中にいた。起こすのもどうかと思いためらっているうちに 昼近くなった。ふと目を覚まして「おや夏子さんではないか、みっともない姿を見せ…

一葉にっ記

19日 晴天。今日の改進新聞の配達が待ち遠しい。誰が私の後に連載するのかと思っていた ら須藤南翠氏だった。(桃水の変名と勘違いして)「ああ嬉しい、先生の連載が前後に 載るのなら私のものが短くされてもよい」と喜ぶ。今日はお客さんが多かった。鍛冶…

一葉の手紙

馬場胡蝶が一葉の手紙について書いた文章がある。大変おもしろくて、失われた他の 手紙が惜しまれる。 一葉君は手紙の文章が実にうまい人だった。私は28年の8月末から30年1月にかけて 地方にいたので文学会の仲間たちの中では、一葉君から多くの手紙をもらっ…

一葉にっ記

やれやれ、楽天光に申し込んだら2ヶ月も待たされた。ADSLは期限半月前に配線切り やがっていきなりメールは見られなくなるわ、楽天には何度電話してもらちが明かず、 ここに長くいる気もないのだから、移動型にした方がいいなと思った矢先に工事日を 指定し…

につ記

27日 小石川稽古日。強風吹いて寒気はなはだしい。早朝より行く。前田様から来た歌に 返歌を送る。三田弥吉夫人が入門した。4時頃帰宅。 28日 早朝図書館に行く。今日も強風はなはだしい。荻野さんの旅館に書物を返しに行く と、おとといより原町田に行…

につ記

如月10日 朝から机の前にいる。午後母が奥田にお見舞いに行く。日没前に小石川より手紙。 先生が風邪を引き、一人で歩けないほどなのですぐに来てほしいとのこと。早速支度し て行く。先生はとても喜んで「のぼせがひどくて、正気を失いそうになるのですよ…

よもぎう日記

9日 早く起きて、小石川の初稽古に急いで出かける。「西村のおばさまはもう帰ってしま っただろうか、通り道なので寄ってみよう」と行くと「今日帰ろうかどうしようか」と おっしゃっていた。少し話して先生のところへ行くと「昨日お会いしなかったから大変…

よもぎう日記

また続きを書く。ひまですねえ。 …しようと手紙を出したとのこと。ほかにも「とても言いにくいことだが」と長々と 前置きして何のことだろう。手伝いを頼んでいた奥さんを断ることにして家政を改革 するという話もあった。私はすぐに帰った。平河町から車を…

蓬生日記

31日 小石川の稽古日。朝あまりに寒いので出てみると、霜が真っ白に降りていたので「初霜だ」と話す。8時頃家を出て中島先生のところへ行く。最初のお題は「暮秋の霜」。 めずらしく朝霜みえて吹風の 寒き秋にも成にける哉 「実景」であると10点いただいた…

蓬生日記

5日 晴天。終日机に向かって例のつまらぬことなど書き連ねる。西村さんが来た。近い内 に文房具店を開く準備ができたとのこと。小田病院での怪事件について話す。昼食を 出して、帰ったのは3時頃。滝野様より庭で採れたという栗をいただく。今日は甲子の …

蓬生日記

22日 明け方より雨は止み、朝日が薄く差し、木々の梢や生け垣に雨粒が玉を連ねたように 輝いて大変美しい。稲葉様が来、伊勢利さんも来た。昼過ぎに中島くら子さんが宅配便 で本を返してきた。手紙もついていた。日没前までに先生の仕立物は終わった。その…

蓬生日記

日かげにとほきやへむぐらのあき、いとど霧のおき所なさに、筆さしぬらしてかひつづくれば、あやしう人のしりうごとのやうにもなり待しかな。 日差しの届かないほど荒れ果てた家にも秋が来る。軒端に降りしきる露を使って筆を 濡らし、思うままに書き連ねて…

一葉日記

文月17日 みの子さんの家で月次会があった。母が道案内をしてくれると一緒に、昼前に出た。 高等中学校の横の坂を下ったところで雨が少し降ってきた。空には薄墨色の雲がもくも くと湧き立ち、道行く人が「夕立が来るだろう」と言っている。真下まき子様の…

若葉かげ

萩の舎の歳くらべは省略 11日 今日も曇り。梅雨入りしたというような天気。今日の新聞に、小舟町二丁目石崎廻漕 店所有の汽船石崎丸が小樽より東京に向けて出帆したが4日の夜銚子の沖合に差しかか ったところで脆くも沈没し、乗っていた50余名すべて溺死し…

若葉かげ

15日 雨少し降る。今日は野々宮菊子さんが以前紹介してくれた半井桃水氏に初めてお会い する日。昼過ぎに家を出る。氏が住むのは海に近い芝の南佐久間町というところ。前に 鶴田さん(半井家に寄宿)に用があり、一度行ったことがあるので道はわかる。愛宕…

若葉かげ

くっそ寒いとこに暮らしていると近隣から梅が桜が咲いてくるので、地元で咲くまで 1ヶ月楽しめる。しだれ桜も一緒に咲くので大変豪華。北国は一気に花が咲く喜びと、 秋の紅葉が素晴らしい。一昨年紅葉に感激した際、地元の人に「紅葉来たら冬になるか らね…

半世紀以上生きてしまった

海見に行くのに泊りがけとは… 4年近く中断している間に51歳になり、海のない雪深い土地に移り住み、携帯電話 を初めて所持したら、ネット環境を持ち歩けることを今さら知り、今までかたくなに 持たなかったことが残念だった。出先でいろいろ調べられたは…